| 東京の地方新聞社「関東新聞」の営業部長・岡本には小説家という別の顔があり、自社の新聞に連載もしていた。家庭には美しく貞淑な妻・静代がいる。 ある日、編集部に転職してきた久美子が声をかけてきた。妖しげな魅力の久美子に岡本は魅了されてしまい、いつしか許されぬ情事を重ねるようになる。彼女のアブノーマルな性癖も岡本にとっては新鮮で刺激的だった。久美子は関東新聞の大手広告主である新興宗教、崇徳教の教祖・吉岡のことを知りたがる。岡本は促されるまま崇徳教にまつわる過去のあるスキャンダルを彼女に話すが、翌日その内容がそのまま記事となって関東新聞の紙面に載る。教祖・吉岡の逆鱗にふれた関東新聞は莫大な広告収入を失い、会社は経営危機に陥る。吉岡が謝罪として要求してきたのはなんと岡本の妻の静代であった。彼女を巫女として一週間差し出せというのだ。何も知らない静代は夫のために吉岡邸へ向かう。 罪悪感に責めさいなまれる岡本を久美子は複雑な気持ちで見守る。実は久美子には吉岡に性の奴隷にされた忌まわしい過去があった。吉岡の正体は偏執的な性的変質者だった。彼女は吉岡への復讐を誓い、そのために岡本を利用したのだった。しかしいつしか岡本を愛し始めていた久美子は意を決して静代を救出するため吉岡邸に向かう。それこそが吉岡の真の狙いであることも知らず…。一人の男の妻と愛人、静代と久美子は吉岡の性の奴隷となって淫虐のかぎりを尽くされ、凄惨な責め地獄へと堕ちる。やがてそこから生まれた底なしのエクスタシーが二人を快楽の虜にしていくのだった…。 |
| ▼ 団鬼六の危険な耽美の世界 | |
| 団鬼六――いわずと知れた日本SM文学の巨匠で、将棋師を主役にした小説や自らの赤裸々な体験を綴った小説によって今や日本文学界の巨星といってもいい存在である。ご存じのとおりその原作は現在までに様々な形で映像化されており、映画化された代表作としては「花と蛇」「紅姉妹」「紅薔薇夫人」などがある。その膨大な小説群から今回また珠玉の一編が映画化された。「鬼の花宴」は一人の男の貞淑な妻と愛人がともに倒錯の世界へと堕ちていく様を描いた壮絶なSM映画である。 | |
| ▼ 女優・黄金咲ちひろについて | |
「日本一黄金の似合う女」をキャッチフレーズとして心理カウンセラー、タロット占い師、文筆家、カラーセラピスト、落語家から果ては女子プロレスラーと多彩な顔を持つ開運系マルチタレントとしてメディアを席捲している。舞台「花と蛇」出演をきっかけに団鬼六氏との対談などを経て今回の主演の座を勝ち取った。イベントプロデューサーとしても活躍している黄金咲はサブカルチャーの女王として数々のエロティックなイベントを催し、「日本全国変態化計画」を推進中である。(ちなみに彼女の心のホームタウンともいうべき横浜・黄金町にあるストリップ劇場「黄金劇場」の公式テーマソングも彼女の手によるものである)今回彼女と現場で一緒に仕事をしたスタッフ、キャストのかなりの者が彼女の「変態化計画」の洗礼を受けて洗脳されてしまったという。 |
|
| ▼ まさに拷問、しかし―長時間に及んだ緊縛シーンの撮影 | |
| 映画のクライマックスをなす緊縛シーンの撮影では黄金咲と松本亜璃沙の両主演女優はなんと十時間にもおよぶ緊縛シーンを見事に乗り切った。二人がSMの快感に目覚めたのは言うまでもない。当初はその痛さや不自由さに悲鳴をあげていた二人だが、時間がたつと共に二人の表情に微妙な変化が現れた。撮影が終わるころには二人とも縛られていないと落ち着かないと口にするまでになった。「癖になりそう…」と二人とも冗談とも思えない口調で呟いた・・・。 | |
| ▼ 史上初の金粉レズシーン! | |
映画のラストを飾るのが映画史上かつてない全身金粉塗りのレズシーン。頭髪からアンダーヘアまですべて金粉塗りという凝りようだ。金粉は黄金咲のオリジナルブレンドによる特注製品が使われた。伸びがよく絶妙な感覚で肌にフィットする逸品を黄金咲自身が現場に持ち込み、松本亜璃沙にも塗りたくった。「今までは顔の部分を塗らなかったが今回は髪の毛まですべて金粉で処理をした」金粉マニアにとってはもっとも価値があり、またその分難しい全身塗りに挑戦した黄金咲と松本。マニアにとっても必見の映像となった。二人があまりに気持ちが良さそうなので、見てい
たスタッフも好奇心から次々と金粉塗りを体験してみたそうである(もちろん部分的にではあるが)。まさに黄金咲の「日本全国変態化計画」の実地を見る思いであったという。 |
|
| ▼ その他のキャスト、スタッフについて | |
特に初挑戦の緊縛シーンにおいては苦痛から悶絶へと変わっていく彼女の表情が凄まじいまでのフェロモンを放ち、ファンならずとも大いに一見の価値がある。今回松本が演じる人妻はほとんどのシーンが和服姿という設定であり、着物のよく似合う松本は団鬼六好みの「和のエロス」を表現するのにぴったりの逸材であったといえよう。監督は自らを鬼六ワールドの信奉者と認める新鋭・羽生研司。高橋伴明、堤幸彦の助監督を経てTVドラマ、Vシネマ等で才能を開花させている。脚本はTV版「戦国自衛隊」でデビューし、『放送脚本新人賞』を2004・2005と連続受賞、『橋田賞新人脚本賞』の大賞も受賞した吉野洋。大長編小説である原作からテーマの本質を抽出し、見事にシナリオへとまとめ上げた手腕には原作の団鬼六も舌を巻いた。 |
|
| ▼ 徹底的にこだわった緊縛の妙技! | |
| 今回縄師として映画に参加したのは桜妓揚羽。シーンごとにその縛り方を微妙に変化させ、縛りの美とリアリティに徹底してこだわった。女性らしい繊細さと細部にわたるこだわりが、マニアのみでなく一般観客にも十分アピールできる美しさと本物が持つ力強さを映画に与えている。主演の黄金咲いわく、「桜妓さんならプライベートでも縛って欲しいわ」とのこと。 | |
| ▼ 豪華なロケセット―本物の和の迫力 | |
| クライマックスで二人の女が凄惨な責めを受けるシーンは関東近郊のとある寺を借り切って撮影された。鬼六ワールドにぴったりの豪華な日本建築がスクリーンにずっしりとした重さと不気味さを加味している。「豪華な檜の鴨居から吊るされた和服姿の女・・・・・・これは私の緊縛世界の基本といってもいい図柄ですな」とは原作者の団氏の言である。 |